31 mai 2010
(仮) 瞼の裏の情景 その10
人の記憶はよくも悪くもすばらしい。新しい町並みになれば、昔ここに何が建っていたのかなど すぐに忘れてしまう。 700キロ離れた地に転居した元同級生は後に奇跡的にわたしの目の前にもう一度あらわれたのは わたしが23歳のときだった。2人が真っ先に向かったのは、原点の田奈中だった。正門前にしばしたたずんだ。 そのときは、校舎はすでに改築済みで、2人が学んだ木造校舎は跡形もなかった。現在の校舎の中には2人が 机を並べた校舎も残っているには残っているのだが、どうも何かが違う。20歳のときに掘り返そうと約束をして...